The Ordinary Spectacle
Duration : 2023.8.18-2023.10.1
Opening : 2023.8.18 4PM
Venue : 3F Clinic Mall,2-2-4Daiba,Minatoku, Tokyo, Japan
Tel : 03-6246-0726
Web : https://shunartdesign.com/
Artist : Austin Stiegemeier
Austin Stiegemeier
アメリカ人現代美術家、美術教育家。
社会派コンテンポラリー水彩画を主に活動中。
作家オースティンは、アメリカ、アイダホ州北部で育ち、ワシントン州立大学で修士号を取得 (2013 年)。 彼の関心は、国際社会全体の社会的、政治的、心理的側面、および消費主義、搾取、人間の欲望からなる社会的影響にあり、それらに対する関心や想いから作品を制作しています。
高等教育機関にて、学生への教育にも取り組んでいます。
彼の功績は州と国の両方で賞を受賞し、アメリカ各地及び北米地域で展示会開催。今回は東京初個展。
自己救済論
去年の8月18日に計画していた個展が一年延期して今年の8月18日になった。アメリカ人作家の東京初個展だ。
この日、画廊は17周年記念日でもある。ほぼ三年間続いたコロナ禍、終了した雰囲気に変わったのもつい今年後半になってからだ。その証につい先日、武漢に作品を届けに行ってきた。
武漢の友人の画廊は何もなかったように賑わっていた。マスクをしている人は一人もいなかった。まだ頑なにマスクを着けているいる人に出加えることがあるが、ストイックな人かマスクで顔を三年間隠していることに慣れて、着けないと何だか恥ずかしいと言う人もいた。私は日本政府が付けなくていいと発表したその日から一回も付けたことがない。
異常な高温に見舞われた今夏の灼熱、マスクをしなくても耐えられない程暑いからだ。
今年は、たくさんの人がこの世を去った。坂本龍一、ジエン・バーキンにビビアン・ウェストウッド、そして瀬戸内寂聴、イッセイ三宅。一つの時代が終焉した。
大好きだった様々なジャンルのクリエイター達の逝去で何だかこの世の柱が抜かれた感じだ。
生成A IやCHAT GPTが話題を呼び、アフター・コロナに答えのない不安定な世の中で、見つめ合っているのは自分そっくりのA Iか不安だらけの未来予想図か。
Austin作品から覗かれるのは、得体の知らない死生観への衝撃的な主観だ。ムンクの叫びっぽい絶望、体を媒体にした内面の提示、私達は一体どこに向かっているのだろう。宫崎骏監督の新作映画を私はまだ見ていない「君たちはどう生きるか」。
アフター・コロナにまだ生きているだけで満足すべきか。厳しい現実は続けるけど、時間だけは流れ続ける。
何も成し遂げてない中で、人様の子供達は凄いスピードで大人になって親の自慢な子供に成長している。自分は成長していないし、何をして生きてきたのだろうと思う。
ウデイ・アレンの映画で見ていたニューヨーク、コロナ禍で延期された次の新天地。誰かが私を最優先するために、誰かを傷つけ、いままた違う誰かを最優先するために、自分が傷ついている。ある意味、フエアだというか、輪廻かも知れない。お願いして誰かに愛されることはできない。結局、一度離れた心は戻ってこない。「長く良すぎただけだ」という歌詞が言うようにだ。中国語に「不离不弃」と言う言葉がある。離れない、捨てないという意味だ。
彼の絵画作品から見えてくる物語と生きること。生を全うして辿り着くゴールは「死」だ。全てはなるようになるだろう。
私が上海で画廊を始めた2006年頃は、現代アートのギャラリーは数少なかった。10軒ほどしかなかったし、内装もされていなかった。今のように、美術館が雨後の筍のようにできていて、国際展が普通に開催され、海外のメジャー・ギャラリーが上海支店を出すなど、今の上海のアート・シーンは想像もできなかった。
オーステインの作品はまだ東京では知られていない。アフターコロナにZoomではなく、作家さんが海外から来られるだけで何だか不思議だ。彼の作品を実際見ることが楽しみだ。
Shun 上海アトリエにて