Reason
Duration : 12:00 - 19:00
Opening : 2021年12⽉17⽇(金)〜2022年1月23⽇(⽇)
Venue : 東京都港区台場2-2-4 クリニックモール3階
Tel : +81 (0) 3-6426-0726
Web : https://www.shunartdesign.com
Artist : 南島隆
遥か彼方の光り輝くもの
―南島隆展によせる言葉
銀座で初めて南島隆の作品を観ることができた。かつて、図録では見たことのある彫刻だ。その彫刻の人物に麻袋(ドンゴロス)の服を着せた作品は長年逢えなかった旧友に会えたように、心の奥深くの懐かしい「郷愁」を呼び起こした。
顔は小さく、表情が見えにくいものの、少し猫背気味のスタイルからはどれも哀愁が漂っている。さほど広いとは言えないスペースにドンと大きい船に乗った難民らしき男。この男の未来を支えるにはこれだけの規模が必要だろうなあと思ったものだ。
更に上の階の部屋には、天馬の彫刻があった。ジョ―ジアの物語から作られた雄大なイメージ、自在に駆け巡りたいその天馬にとって、スペースは大草原じゃない限り窮屈に思える。収まらないほどの「情熱」を感じた。
今般の個展は、新シリーズ「Reason」の作品に初期作品から異郷化シリーズまでの作品を加えた展示になる。これまでの作品からは、南島隆ならではの文学性が垣間見られる。映画や戯曲などを相当量通読し、それが作品のタイトルにも反映されている。急速に変わっていく世界に、戸惑う人間の様から、変わらない、変われない世界の側面を多角的に見つめている。
訪問が叶わず、遠く離れた上海からZoomで訪れたアトリエ訪問であったが、年末に東京で作品展を観る事ができるのが楽しみだ。遥か遠くで光り輝くものへ、「親しくなりすぎた他人」から「親しくなった永遠の友人」にこの展覧会を捧げる。
上海アトリエにて Shun