CONNECTIONS – 追悼展:関根伸夫&上海博覧記念版画

Duration : 12:00 - 20:00

Opening : 2019年6月20日(木)〜2019年7月25日(木)

Venue : 〒200031 中国上海市徐匯区復興中路1363弄3号108室

Tel : +86 (0)21 5496 1918/+86 (0)21 5496 1918

Web : https://shunartdesign.com/

Artist : 笛田 亜希 孫 良 関根 伸夫 小清水 漸 横尾 忠則 方 力鈞 季 大純 劉 野 井口 真吾 曲 豊国 周 春芽

8年前にShun Art Galleryオーナーのシュン氏が企画した「上海万博版画展」で初めて「もの派」について知った。その時は関根伸夫の作品のコンセプトを表現したシルクスクリーン4点を展示していた。
 

1968年、26歳の関根伸夫は、神戸の須磨離宮公園で開催された「第一回現代彫刻展」で「位相・大地」を制作した。関根氏は中国の風景をコンセプトに、公園の敷地内に深さ2.7メートル、幅2.2メートルの円柱状の穴を掘り、掘削した土を同じ大きさの巨大な円柱に成形し、穴の隣に設置して作品を作った。地面に立っている円柱は穴の空虚さとの大胆な対比を形作った。この作品は「もの派」誕生のきっかけとなった。

「もの派」のアーティストの作品は通常、木、石、土などの未加工の天然素材を使用し、作品から人工的な痕跡を排除したものである。物質間の「関係」に注意を払いながら、物語の要素に「空間」を取り入れている。物事の焦点は、物質間の微妙な「つながり」からはしばしば見えない。世界のありのままの姿を明らかにするために最低限の行為が加えられ、人々は世界の「現実」を再認識する機会が与えられる。

今年(2019年)5月14日、日本で最も重要な現代美術作家の一人とされる関根伸夫氏が77歳で亡くなった。そのニュースを聞いた時、私は原研哉がデザイン業界の視点から物質に対する視点と認識を書いた「DESIGNING DESIGN」iという本を読んでいた。物質との強いつながりを感じつつ、9年前の「上海万博版画展」で関根信夫の追求する「物質」iiと「つながり」のコンセプトを表現した4点のシルクスクリーン版画を紹介し、見る人々に何かを感じてもらいたい。関根氏の北京と上海での重要な個展、2004年に北京のBTAPで開催された「関根信夫個展- Movement, Feeling, Environment」と、2011年に上海彫刻空間で開催された「MONOGATARI——関根展芸術展」で展示された関根氏の文章も展示される。また、上海万博版画展のプロジェクトに参加していた中国人と日本人のアーティスト11名の作品も同時に展示する。彼らの世界に対する視点・知覚・表現は一種の「つながり」ではないのでしょうか?

また、1970年に第35回ヴェネツィアビエンナーレの代表作に選ばれた作品「空相 -Phase of Nothingness-」の作品も映像で紹介する。重さ16トンの巨大な石がステンレスに載せられた鏡の柱は、柱が周囲の景色を映し出してほとんど見えなくなり、石が空中に浮いているように見える。 「明らかに、関根の環境芸術の目標は、芸術を環境に変えることではなく、環境を芸術に変えることである。」iii
関根伸夫はより自由に物質の「自由な状態」を表現し、空間、素材、アイデアの複合体を形成する。当然のことながら、「空間」は物事を認識する際に最も重要な要素の1つと見なされている。物質は、世の中で最も直接的で簡単に触れることができる。この展覧会では同時にミニワークショップを開き、提供される自然物を感情のままに組み合わせて配置し、世界との直接的な相互作用を体験する試みとなる。空間を知覚することは、時間の流れによって引き起こされる「物体」と自己の「つながり」の存在を知覚することである。

MAO(Shun Art Gallery Shanghai マネージャー), 2019.6.11

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原研哉:「人は世界を認識しようとする感情でできたシステムである。」「人間の感覚は大胆に世界に開かれている。それらは「受動的」ではなく、能動的でアクティブな器官である。「DESIGNING DESIGN」、2010


ii 関根伸夫:「私は、物質的または物質的な感覚を伝える物体を発表するアーティストで構成された「もの派」として知られるグループの一員でした。」、「Movement, Feeling, Environment」序文、2004
 
 
iii 黄篤:「もの派から環境美術へ関根伸夫の芸術的ビジョンを解読する」、「関根伸夫個展- Movement, Feeling, Environment」北京 BTAP、2004